むし歯治療

むし歯は進行する病気です！

むし歯は、多くの方がよく知っている歯の病気だと思います。

では、このむし歯という病気が初めは時間症状がほとんどなく気づかないうちに進行するということをご存知でしょうか？
そして、自分で症状に気がついたときには、かなり進行してしまっているということをご存知でしょうか？

実は、むし歯は次のような過程で進行していく、進行性の病気です。

COやC1ぐらいのうちは、具体的な症状を感じることはほとんどありません。痛みなどの具体的な症状が出るのは、C2やC3ぐらいまで進行してからです。

C3のレベルまで進行したむし歯は、むし歯が歯髄（歯の神経）まで到達していますので、激しい痛みを伴うようになります。痛みのために治療が進められなくなってしまうため、歯の神経を取る処置をしてからむし歯治療を行うことになります。

また、C4レベルまで進行してしまうと、やむを得ず歯を抜かなければならないケースが多くなります。もちろん、できるだけ歯を抜かないで済むように努力はしますが、ここまで進行してしまうとどうしても難しいケースというのが出てしまいます。

このように、むし歯は気づかないうちに進行してしまい、最悪の場合には歯を抜くこともあります。たかがむし歯とあなどれない病気なのです。

むし歯の治療は、むし歯になってしまった部分を削り、削った部分に詰め物や被せ物を入れて歯を修復します。

ですから、まずむし歯の取り残しがないように患部をきちんと削ることが大事ですし、詰め物や被せ物が土台となる自分の歯とピッタリはまる精度の高さが求められます。

とはいえ、詰め物や被せ物はあくまでも人工の歯です。ご自身の歯ではありません。しかも、一度でも削ってしまった歯はもう二度と元の状態に戻すことができません。

ですから、当院のむし歯治療では、なるべくご自身の歯を削らないようにすることを大事に考えています。

なぜなら、一度でも治療をしてしまうと、それは自分の歯以上にはならないからです。詰め物や被せ物と土台になるご自身の歯との間には、どうやっても小さなすき間ができてしまいます。どれだけ治療の精度を高めたとしても、ご自身の歯にはかないません。

そして、その小さなすき間というのは、むし歯菌の格好のすみかになってしまいます。つまり、一度治した場所というのは、またむし歯になりやすいわけです。

また、歯の神経を取ることも歯の寿命を短くしてしまうため、できるだけ避けるようにしたい処置です。

歯の神経には歯に栄養を送る役割もあるため、取ってしまうと歯がもろくなってしまいます。また、歯に痛みを伝える役割を失うことになるので、むし歯が進行したとしても気づきづらくなるというリスクも高くなるからです。

このように、できるだけあなたの歯に人間の手を加えないことが、結果的にあなたの歯の寿命を延ばすことにつながります。

当院では、できるだけあなたの歯に手を加えないことを大切に考えて、むし歯の治療を行っています。もしやむを得ず手を加えることになった場合には、その状況でベストな方法を選択できるように最善を尽くします。

当院では、3Mix法という治療法を導入しています。

3Mix法とは、３種類の抗生物質を混ぜ合わせた抗菌剤を使って、歯の中の病原菌を殺菌・無菌化する方法です。神経を取ることになってしまう場合などにこの3Mix法を使うと、神経を取らずに済む確率が高くなり、結果的に歯の寿命を伸ばすことにもつながります。

また、この3Mix法を使うと、抗菌剤でむし歯の原因となる細菌に直接アプローチできるので、歯を削る量を最小限に抑えることができます。そのため、痛みをほとんど感じることなく治療を進めることができます。

ただし、この3Mix法はあくまでもむし歯になってしまった場合にやむを得ず行う対処療法です。根本的には、むし歯にならないように「予防」に取り組むことが歯の寿命を延ばすために、そして痛みや不具合を感じることなく生活するためにベストな方法です。